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複号は不可能、大規模の新型マルウェアの実態

破壊を目的としたウイルスの攻撃が広がっている

2017年の6月後半に、以前起きたばかりのランサムウェアウイルスに似たタイプの攻撃が世界中で実施されました。
そのウイルスのタイプも身代金目当ての攻撃に使われた「Petya」の亜種と見られていて、一見すると同じようなタイプの攻撃かと思われました。
しかし、今回の攻撃は以前のものとは明らかに異なる特徴があったのです。

その大きな特徴は、マスターブートレコードを上書きしてしまうというものです。
このマスターブートレコードが上書きされてしまうと、すべての情報をバックアップ、復号することができなくなってしまい、そのパソコンは使い物にならなくなってしまいます。
つまり、今度のサイバー攻撃は明らかに破壊活動を目的としたものであって、身代金目的というタイプの攻撃ではないのです。

国家による大規模な攻撃が強く疑われる

こうした悪質かつ大規模な攻撃は、個人ではなかなかできないほどのものです。
「Petya」の亜種のウイルスを使ったと見られていて、一見すると以前の身代金目当ての攻撃に見えるものの、実際には破壊活動が目的だったという悪質な行為は、特に国家によるサイバーテロの疑いを強く抱かせます。

世界中で広範囲にわたってこの攻撃が一斉になされていますので、特定の攻撃対象がどこだったのかということは限定できませんが、明らかに意図を持った悪質な攻撃であることが見て取れます。
実際に、様々な行政機関やインフラ施設、医療機関などが被害を受けて、一時的にインフラや必要なサービスが麻痺してしまったところさえあります。
実際に兵器を持って戦争をしかけなくても、このような形で国を混乱させることができるということを如実に示した事件となりました。

個人の責任でセキュリティ対策を確実に取る

こうしたサイバー攻撃は様々な場所にかけられていますが、不特定多数を標的としている感もありますし、ウイルスが飛散して個人のパソコンにまで害が及ぶこともあります。
しっかりとセキュリティーソフトを入れておくことや、OSやソフトのアップデートをきちんとしておくことで、こうしたウイルスによる攻撃を防げる可能性が高くなりますので、高いセキュリティー意識を持つことはとても大事です。

また、万が一こうした被害に遭っても損害を最小限にとどめておくためにも、日ごろから重要なデータのバックアップを取っておくというのも大事なことです。
日に日に技術が進歩している中、悪意を持った人たちのレベルも向上していますので、それに対応できる備えをしておくことを忘れないようにしましょう。
日ごろきちんとした備えをしておけば、いざという時に泣きを見ることがなくなるのです。